2018年度 第51回細胞検査士資格認定試験学科筆記試験 その2 ~総論~
11.細胞の超微構造について正しいものはどれですか.
1.核膜は三層構造を示す.
2.中心体はATP合成に関与する.
3.ゴルジ装置は異物や老廃物の処理を行う.
5.粗面小胞体は蛋白合成の盛んな細胞で発達している.
答え 5
核膜は二層構造。
ATP合成に関わるのはミトコンドリア。中心体は細胞分裂の際に出現。
ゴルジ装置は分泌が主な役割。
12.誤っている組み合わせはどれですか.
1.オカルト癌――――――――――臨床的に転移巣の発見が先行し,後に原発巣が特定された癌
2.偶発癌――――――――――――癌以外の疾患に対する手術や検査により偶然発見された癌
3.ラテント癌――――――――――病理解剖でも原発巣を発見できない癌
4.多発癌――――――――――――同一臓器に複数発生する原発性癌
5.重複癌――――――――――――多臓器に複数発生する原発性癌
答え 3
ラテント癌は生前原発がわからなかったが、解剖時に発見。
13.誤っている組み合わせはどれですか.
1.細菌感染症――――――――――クリプトコッカス症
2.真菌感染症――――――――――ムーコル症
3.原虫感染症――――――――――クリプトスポリジウム症
4.ウイルス感染症――――――――伝染性単核症
5.プリオン病――――――――――クロイツフェルト・ヤコブ病
答え 1
クリプトコッカス症は真菌症、墨汁法などで観察できる。
14.アポトーシスの特徴で誤っているものはどれですか.
1.核の断片化
2.アポトーシス小体の出現
3.マクロファージの貪食
4.炎症反応を起こす
5.細胞質の縮小化
答え 4
アポトーシスは不可逆である、核がまずだめになる。
ネクローシスは可逆。核以外がだめになる。
15.DNAに含まれないのはどれですか.
1.チミン
2.グアニン
3.ウラシル
4.シトシン
5.アデニン
答え 3
ウラシルはRNAに含まれる
16.細胞所見で誤っているものはどれですか.
1.真の乳頭状構造は毛細血管を伴う.
2.濾胞構造は腺癌でみられる場合が多い.
3.乳頭状増殖は腺型悪性腫瘍でみられる場合が多い.
4.上皮性悪性腫瘍は通常二種類以上の組織型が混在している.
5.扁平上皮癌細胞は腺癌細胞よりも孤在性出現の傾向がある.
答え 4
非上皮性悪性腫瘍が通常2種類以上の組織型が混在している。
17.類上皮細胞性肉芽腫を認めないものはどれですか.
1.肺サルコイドーシス
2.肺結核症
3.肺クリプトコッカス症
4.肺胞蛋白症
5.珪肺症
答え 4
肺クリプトコッカス症は真菌症で類上皮性肉芽腫を認める
18.誤っているものはどれですか.
1.カルシトニンは主に甲状腺C細胞より分泌される.
2.インスリンは主に膵島B細胞より分泌される.
3.グルカゴンは主に胃幽門腺G細胞より分泌される.
4.アドレナリンは主に副腎髄質細胞より分泌される.
5.パラソルモンは主に副甲状腺より分泌される.
答え 3
胃幽門腺G細胞からはガストリン、グルカゴンは膵。
19.誤っているものはどれですか.
1.扁平上皮細胞の細胞質内にはデスモゾームが存在する.
2.多列線毛上皮は気道で物質の運搬に重要な役割を果たす.
3.乳腺,唾液腺の導管部分には二種類の細胞が存在する.
4.神経内分泌細胞は顆粒の中にクロモグラニンを有する.
5.線維芽細胞は細胞間基質や線維成分を作る.
答え 1
デスモゾーム(細胞同士の接着因子)は細胞と細胞の間に存在。
単層円柱上皮は「交換」(肺胞、血管内皮)
円柱上皮は「吸収」(胃、小腸)
線毛上皮は「運搬」(気管、鼻腔、卵管)
移行上皮は「貯留」(膀胱)
立方上皮「その他」(尿細管、甲状腺の濾胞上皮)
神経内分泌細胞は顆粒の中にクロモグラニン、CD56、シナプトフィジン等を有する
繊維芽細胞は結合組織を構成する細胞の一つ。コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった真皮の成分の合成。好塩基性、貪食作用、収縮、コレステロール代謝。
20.誤っているものはどれですか.
1.壊死では細胞内器官が膨化する.
2.アポトーシスでは細胞内小器官や膜は比較的保たれる.
3.肥大とは細胞数の増加による現象である.
4.化生とは本来の組織が異なる組織に分化する現象である.
5.萎縮は細胞数や容積の減少により生じる.
答え 3