2018年度 第51回細胞検査士資格認定試験学科筆記試験 その１ ～総論～
1．がん抑制遺伝子について正しいものはどれか
A．c－myc
B．K-ras
C．erbB2
D. p53
E．Rb
答え D.E
解説
がん抑制遺伝子は頻出問題です。理解というよりは暗記です。p53、Rbはよく問題にもでてきます。問題作っている人は好きなんですねきっと。
Rb 細胞周期調節(転写・細胞周期制御蛋白質)
p53 転写因子(転写・細胞周期制御蛋白質、アポトーシス誘導）
2．石灰化(砂粒体)の出現を特徴とする腫瘍はどれですか
A．漿液性癌
B．類内膜癌
C．肝細胞癌
D．絨毛癌
E．髄膜腫
答え A.E
解説
これも単純に暗記でいいかと、ここで注意なのが漿液性癌と漿液性腺癌は違うことですね。漿液性癌は卵巣に発生する腫瘍で漿液性腺癌は子宮体部で発生する腫瘍です。髄膜腫も同心円状の輪郭を持つ石灰化小体がみられます。
3．小型円形腫瘍細胞の出現するものはどれですか
A．横紋筋肉腫
B．扁平上皮癌
C．肝細胞癌
D．唾液腺導管癌
E．神経芽細胞腫
答え A.E
解説
横紋筋肉腫で胞巣型横紋筋肉腫は若年成人に好発する、予後不良の小型円形腫瘍。
唾液腺導管癌は高悪性度！大型の類円形核を有し、核クロマチン粗顆粒状に増量（ICLも有する）
神経芽細胞腫は小型円形+繊維状の細胞質+ロゼット形成
4．抗原提示にかかわる細胞はどれですか。
A．好酸球
B．形質細胞
C．肥満細胞
D．マクロファージ
E．ランゲルハンス細胞
答え D.E
抗原提示にかかわるのは、樹状細胞、単球、マクロファージ、B細胞を覚えておく。肥満細胞はヒスタミン放出をおこない、IgEのⅠ型アレルギーにかかわる。ランゲルハンス細胞は表皮に存在する、樹状細胞の一種。
5．ウイルス感染症と関係があるものはどれですか
A．アウエル小体
B．クレオラ小体
C．ハッサル小体
D．多核巨細胞
E．デコイ細胞
答え D.E
アウエル小体はM3で出現。クレオラ小体は剥離した気管支上皮細胞の集塊（ぜんそくなどで出現）ハッサル小体は胸腺小体。デコイ細胞はポリオーマウイルスが関係。
6．扁平上皮癌の特徴として正しいものはどれですか。
A．癌真珠
B．細胞間橋
C．腺腔形成
D．乳頭構造
E．濾胞構造
答え A．B
BCDは腺癌の特徴、
7．遺伝子腫瘍とその原因遺伝子について正しい組み合わせはどれですか。
A．網膜芽細胞腫ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰWT1
B．乳癌ｰｰｰｰｰｰｰｰ-------------------BRCA2
C．悪性黒色腫—-------------------p16
D．多発性内分泌腫瘍型2型—----APC
E．家族性大腸腺腫—---------------RET
答え B．C
網膜芽細胞腫はRb、多発性内分泌腫瘍2型はRET、家族性大腸腺腫はAPC。
8．正しい組み合わせはどれですか。
A．顆粒細胞腫の細胞質にはジアスターゼ消化性のPAS陽性顆粒がみられる。
B．乳腺アポクリン癌の細胞質には好塩基性の顆粒がみられる。
C．膨大細胞（オンコサイト）の細胞質には、多くのミトコンドリアがみられる。
D．淡明細胞型腎細胞癌の細胞質には、グリコーゲンが豊富にみられる。
E．膵腺房細胞の細胞質には、パネート顆粒がみられる。
答え C．D
顆粒細胞腫はCD34、C-kit（－）、S-100（＋）、シュワン細胞由来。
乳腺アポクリン癌の細胞質には好酸性の顆粒がみられる。
パネート顆粒は小腸に存在、好酸性の分泌顆粒
9．誤っている組み合わせはどれですか。
A．奇形腫---------------------------常染色体劣性遺伝
B．胎児性癌-------------------------伴性遺伝
C．網膜芽細胞腫--------------------常染色体優性遺伝
D．ダウン症候群--------------------常染色体異常
E．ターナー症候群------------------性染色体異常
答え A．B
伴性遺伝は血友病を起こす。
10．ヒトの腫瘍と外因の組み合わせで誤っているものはどれですか。
A．肺癌--------------------アスベスト
B．皮膚癌-----------------アニリン
C．膀胱癌-----------------タール
D．食道癌-----------------アルコール
答え B．C
アニリンは膀胱癌、タールは皮膚癌及び肺癌。
